多くのライバーやVTuberなどからの支持を受けるYAMAHA(ヤマハ)のオーディオインターフェース内蔵ミキサーである『AG03』。
今回は、そんな『AG03』について初心者向けに導入方法や基本的な使い方を紹介していきます。
なお、今回は『AG03』の後継モデルである『AG03MK2』を使って解説をしていきます。
- 電源周りが「USB-C」のため取り回しやすい
- ミュートボタンが搭載
- AUX端子が4極ケーブルに対応し、Androidからの配信が可能
とメリットが多く、値段もほとんど変わらないため、今から買うなら『AG03MK2』がオススメです。
ここが分かればOK!『AG03』でよく使う場所
①:電源
中央右側のボタンです。
②:マイク端子(XLR端子)
ダイナミックマイクやコンデンサーマイクを挿入する場所となります。
③:ファンタム電源
「+48V」と書いてある赤いボタン部分です。
コンデンサーマイクを使用する際にONにします。
④:フェーダー
左下の四角いツマミです。マイクの入力音量を決定します。次の「GAIN」と合わせて音量を調整します。
⑤:GAIN
音量の増幅を行います。
⑥:PEAK/SIG
マイクの音量チェックが可能です。
「SIG」の緑色が点灯すると入力ができており、「PEAK」赤色が点灯すると音割れが発生しています。
⑦:COMP/EQ
ONにすると音量のバラツキを抑えることができますが、基本的にはOFFで大丈夫です。
⑧:REVERB
ONにするとリバーブ(エコー)がかかるようになります。歌(カラオケ)配信などで使用します。
⑨:MUTE
音声をミュートにします。
⑩:HEADSET
ヘッドセットを挿入できる箇所です。
ヘッドホンやイヤホン、ピンマイクなども単体で差し込み、使用可能です。
⑪:AUX
主にスマホから音源を流す際に使用します。『AG03MK2』では、「iOS」だけでなく「Android」も使用可能です。
⑫:STREAMING OUT(初代『AG03』はTO PC)
マイク音声やPCの音をどのように送るかを決定します。
⑬:レベルツマミ(コンピュータ側)
PCのマークがあるツマミです。
自分が聞いている音やライブ配信・録音などに影響します。
「Yamaha Steinberg USB Driver」のインストール
まずは、『AG03』をコンピューターに接続して使用するためのソフトウェアをインストールしましょう。
YAMAHAの公式サイトより、「Yamaha Steinberg USB Driver V2.1.~」をダウンロードします。
基本的には最終更新日が一番新しいもので大丈夫です。
各機器の接続を行う
1. USB-Cケーブルを本体に差し込み、電源を供給
『AG03』の背中側には2つのUSB-Cの端子があります。
その内、左側の「5V DC」と書かれている側が電源の端子です。
USB-Cケーブルを使って電源と接続しましょう。
その後、電源ボタンを押し、ランプが点灯すれば電源との接続が完了します。
2. USB-CケーブルをPCまたはスマートフォンに差し込む
次は『AG03』の背中側にあるもう1つのUSB-C端子とPCにケーブルを接続しましょう。
右側の「USB2.0」と書かれた端子とPC(またはスマートフォン)をUSB-Cケーブルで接続します。
3. マイクを差し込む
マイクと『AG03』を接続します。
マイクの接続端子は2種類あり、左上側にあるXLRタイプの入力端子と、中央にある「HEADSET」と書かれた入力端子があります。
使用するタイプに合わせて接続を行いますが、今回はXLRタイプの接続を行います。
ファンタム電源がOFFになっていることを確認する
ファンタム電源を流したままケーブルを抜き差ししてしまうと、その際に大きな音がなってしまい音響機器が壊れる原因になります。
マイクケーブルを抜く場合は、必ずファンタム電源をオフにしてから抜くようにしましょう。
マイク-『AG03』間でXLRケーブルを接続する
XLRケーブルでマイクと『AG03』を接続しましょう。
向きがあるのでよく確認して接続を行います。
4. 動作テストを行う
出力音量とゲインが0になっていることを確認する
ファンタム電源のON・OFF時に、ノイズが発生してしまう場合があります。
『AG03』の出力音量やゲインが上がった状態でオンにするとノイズが発生しやすいため、出力音声やゲインが0であることを確認してからON・OFFを行いましょう。
フェーダーを上げ、マイクの前で話してみる
フェーダーでマイクの音量をあげ、電源ボタンの下にあるPEAK/SIGランプが点灯するか確認しましょう。
フェーダーは基本的に、太い線より上までもっていくと良いでしょう。
点灯すれば問題なく動作しています。
マイクの音量を調節する
話している時にPEAKの赤いランプが点灯し続けている場合は音量が大きすぎる(音割れを起こしている)サインなので、その時は大きな声で話した時に赤いランプが点灯するくらいにマイクフェーダーとGAINつまみを適度に調節し直します。
目安としては、話し始めた瞬間のみPEAKの赤いランプが点灯するぐらいがいい感じだと思います。
これでAG03の接続はOKです。
OBSで『AG03』を反映させて配信を行う
では次は、OBSに『AG03』を使って音声を流しましょう。
「STREAMING OUT」を「INPUT MIX」にする
『AG03』本体の中央下部分にある「STREAMING OUT」の部分にあるツマミを「INPUT MIX」に合わせましょう。
旧型の場合は、「STREAMING OUT」の部分が「TO PC」になっていると思いますが、同じく「INPUT MIX」の項目に合わせます。
「INPUT MIX」では入力された音をPCをミキサーを通して音量調節したものを出力します。フェーダーやゲインなどで調整した音を出力できるため、聞き取りやすい音量で声を届けることが可能です。
OBS側で「ファイル」→「設定」→「音声」を開く
次はOBSでの設定に移ります。
OBSの左上にある「ファイル」から「設定」を開きます。
「設定」のタブが出てきたら「音声」を開きます。
「グローバル音声デバイス」を設定する
「音声」の項目を開くと、中に「グローバル音声デバイス」という項目が出てきます。
その中から以下の項目を設定します。
- デスクトップ音声:「既定」
- マイク音声:「Line YAMAHA AG03MK2」(「AG03」という項目があればそれを選択)
設定ができたら「OK」を押して設定画面を閉じます。
音量の調整を行う
マイクの前で話してみて、「音量ミキサー」内の「デスクトップ音声」と「マイク」が反応すれば設定は完了です。
目安としては、「マイク」のメーターが、普通の話声で黄色の右端に届くぐらいがよい感じです。
『AG03』も活用しながら調節しましょう。
自分の声を出力しないようにする
マイクに向かって話したときに「デスクトップ音声」が反応していると、ハウリングのようになり、しゃべりづらくなることがあります。
その時はOBS側で以下の設定を行いましょう。
まずは「音声ミキサー」にある各音声のいずれかの「三点リーダー」をクリックし、「オーディオの詳細プロパティ」を選択します。
プロパティが表示されたら、「マイク」の「音声モニタリング」を「モニターオフ」にします。
これで設定は完了なので、「閉じる」をクリックしましょう。
もう一度マイクに向かって話し、連動して「デスクトップ音声」が反応していなければOKです。
もっとこだわりたい人向け:「AG Controller」(「AG DSP Controller」)をインストールする
エフェクトを細かく設定したい方は、「AG Controller」または「AG DSP Controller」というソフトウェアをインストールするとよいでしょう。
使用する機種によって、インストールするソフトが異なるため注意しましょう。(以下はYAMAHA公式サイトのリンクです。)
「AG Controller」では、コンプ、イコライザー、ハイパスフィルター、リバーブ、ギターアンプシミュレーターなど、様々な項目を調整し、より拘った音声を届けることが可能です。
必須ではないので、飛ばしてもOKです。